先だっての日記に書いた井戸蓋を設置した。井戸を使うおばさん達の評価はおおむね良し(まだ評価頂けてない人も居るので)。
井戸は昔の谷の流れ際にあるので、かなり坂を下りてゆくことになる。 奥のブロック積みの壁はもともと無く、そこを谷が流れていた。大水になると井戸は谷の流れと同化していたものだった。ブロックが積まれたけれど、谷の水位が井戸より高くなっている訳では無く、ただ土砂災害を防ぐ為壁が作られたということ。お陰で擂り鉢の底のような場所になってしまった。 井戸の上段と水神様。夏の間、滔々と流れていた上段はもう枯れている。 下段と排水溝。下段の取水パイプからの水ももう細い。 排水溝から件の井戸蓋の設置場所である排水升。 排水升付近。井戸蓋はすでに使われた味を出しつつある。 井戸蓋のアップ。石の配置を変えて掃除したら、石口を拾ったラインが変わってしまった。位置も使う人により、移動しているようだ。 ずっと以前から、こうした、ただ使う為の木工を好きだなぁと思っていた。生活の道具としての木工に惹かれる気持ちは今も変わらない。 今、生活用具としての木工には、何だか現代美術的なアート臭さが漂ってきている。手間のかかっていないものにアートや言葉(文章)で装飾をして手間賃を上げようとしているものには胡散臭さがつきまとい、ロング・セラーを生み出すことが皆無に等しいと感じる。 道具は使う為のもので、それだけに必要十分条件の見極めはとても大切だと思う。 言葉を替えれば、道具を作るにはある種、「潔さ」のようなものが肝心なのではないかと井戸蓋を設置して思ったことだった。
by t-h-arch
| 2009-10-23 22:04
| 木工
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