地方によってはお盆だというのに、我が家はまだカーテンは冬物のまま、絨毯や敷物も出しっ放し。 今朝、やっと弟子2号の手伝いで建替えをした。
僕は京都の工務店に小僧に行っていたので、6月・9月の建替えは京都で初めて体験した。障子や襖を簾戸(すど)と取り替え、毛氈(もうせん)や敷物を籐筵(とうむしろ)と取り替え、天井を雑巾掛けして簾を洗う。残りの時間はお客さんに頼まれたことをする。 住宅やお店や場所はそれぞれだが、なかでもお茶屋さんの建替えは風情があってとても楽しかった。 あるお茶屋さんでは世話役(大工の主任者)と小僧の僕、出入りの少しおっちょこちょいな八百屋さんが毎年のメンバーで、籐筵を天井裏のトタン製の煙突のような保管容器(?)に毎年苦労して片付ける手順や人員配置、天井拭きの踏み台が身長に合わせて決まっていたり、弁当を持って行かないとお茶屋のお母さんや女衆のシンプルな昼食の相伴に預かれるので、6月のグリンピースと若布の冷たいお汁を楽しみに出かけたりしたものだった。午后には舞子さんが挨拶廻りに来るので皆何となく玄関廻りに居て、舞子さんは小僧にシンパジーを持つ人が多く団扇や千社札のシールを呉れるので、気に入りの舞子さんの札を鑿箱に貼ったりしていた。夕方、出前のアイスコーヒーとサンドイッチが届き、祝儀と瓶ビール2本、頂き物のお裾分けなどを頂戴して帰るのも毎年同じだった。 お客さんとは別に、朝の掃除の延長で親方宅の建替えもしていたが、建替えが終わると親方の奥さんは身内の小僧にも祝儀を出して呉れた。初めての親方宅の建替えの時、世は平成だったが、ピン札の500円札が祝儀袋に入っていて感激したのを憶えている。その後も奥さんの私用で運転手をしたり片付けの手伝いなどをすると、500円札にお目にかかることができたが、年季明けの年くらいには在庫が切れたのか小僧の祝儀は1000円に値上がりした。 我が家の建替え終了後、ヨメが「500円札は流石に無い」と言って、弟子2号に祝儀を出していたが、多分1000円なので、値上がりは当時から無いことになる。
by t-h-arch
| 2009-07-15 23:40
| 建築
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