冨田潤さんを訪ねる。

 京都・嵯峨越畑で染色・織物をしている冨田潤さんの工房をお施主と共に訪問する。
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 冨田さんとは、小僧時代の京都「俵屋」でのご縁があり、ヨメが一時冨田さんの工房の手伝いをしていたこともあって工房へも以前お邪魔したことがあった。
 大柄な体格で、細やかな仕事をされる印象は持っていたが、結婚時にヨメが持参してきた冨田さん作の絨毯を使うようになって、その細やかな、静かな仕事ぶりがテキスタイルの質になってそのまま現れているような快適さと、ウールの持つ万能とも言えるヘヴィ・デュティー振りに心底惚れ込んでしまったので、先般引渡しの済んだ名古屋覚王山の現場に自分が使っている絨毯を持ち込んでお施主に売り込みを掛けたところ、お施主が興味を持って下さり今回の訪問となった。お施主奥様ご姉妹、道案内にヨメも同行、弟子を加えて総勢5名で奥嵯峨の山道を上る。

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 温室を改造した工房はシンプルで心地がいい、お弟子さん達の仕事の音をB.G.Mに冨田さんの作品を見せて頂く。


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 僕が使っているのと同じタイプのラグ。 夏でも冬でも素足で踏むと、少しそこに留まっていたいような感触が足裏を包んでくれる。

 冨田さんお手製の織機。 師匠が自作をされるので、ヨメはそれを手伝うべく、小僧時代の僕に簡単な大工道具セットを貸してくれと頼んで来たものだった。(きちんとお手伝い出来たかは定かでは無いが、、、。)
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 これも最近の自作、縮絨をかける機械。制作は流石に職人さんを頼んだと言ってみえたが、この発想は紛れも無くTOMITA DESIGNだ、、。
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 お弟子さんが帯を織っているところ。
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 あらかじめ、お施主宅の絨毯を敷きたい箇所の写真に大きさを書き込んで送ってあったので、あとはデザインを少し説明してもらい、作家一任ということで冨田さんに現場を下見してもらい話を進めることに決まる。

 冨田さんのご自宅でお茶を頂いて、昔話をし、お昼は近所にある蕎麦屋さんへお誘い頂く。
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 むらさき大根のおろし蕎麦。大根は甘く辛く、絶妙な味、近くの産らしく新鮮だ。
 蕎麦は近隣の男性が交代交代で打つらしく、本日の当番は「吉田さん」、ヨメのなじみで、奥さんはco-op仲間だった由、懐かしそうに話をしていた。

 京都駅でお施主と別れ、僕の修業先「中村外二工務店」で、現親方の中村義明さんに久しぶりにお目にかかり近況を話し合い、大きな声で叱咤激励を頂く。
 その後寺町三条から京極、河原町あたりをヨメ、弟子中心に歩き、シメにコーヒーを飲んで帰路につく。
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by t-h-arch | 2012-06-28 23:59 | 建築
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